健康保険証廃止に関する情報、「資格確認書」情報の周知徹底を
この間、テレビやインターネット、医療機関・薬局の掲示などを用いて、マイナ保険証の利用を推奨する広報が行われています。これら政府が行う広報は、マイナ保険証を利用することで「より良い医療」が受けられると喧伝していますが、健康保険証の形態によって、患者が受ける医療に差が生じるような誤解につながりかねない表現だと考えます。マイナ保険証利用で限定的な医療情報の共有が選択できるようになるというものですが、マイナ保険証がなければ医療が受けられなくなるという誤解をも生じています。
健康保険証が廃止された後でも、1年程度は現行の健康保険証が利用できます。またマイナ保険証を取得していない方には、「資格確認書」が自動的に発行されることとなっています。これらの情報を丁寧に伝えることをせず、マイナ保険証利用ばかりを宣伝する政府広報は、国民の受療する権利を損ないかねないものとも考えます。
国民皆保険制度を標榜するわが国で、任意であるマイナンバーカードを持たないことで、医療が受けられない事態を生じさせることはあってはなりません。まずは、マイナ保険証を持たない場合でも、これまで通りの受診が保障されることを、一人一人の住民が理解できるように伝えるべきではないでしょうか。医療機関や薬局に、マイナ保険証利用促進の広報を押し付けるのではなく、住民の健康や命に関わる情報を、行政が責任を持って住民に漏れなく周知するよう努めるべきです。
広島県保険医協会は、トラブルが解消されない現状で健康保険証を廃止することは、医療や介護の現場に深刻な混乱を及ぼすこととなるため、健康保険証の存続を求めています。また「資格確認書」についても、マイナンバーカード更新時の手続き漏れなどを考慮すれば、被保険者全員に自動的且つ継続的に発行することが必要と考えています。
以下の情報について、早急に、報道機関等あらゆる協力を得て、住民への周知が図られることを求めるものです。
- マイナ保険証を持っていない方には「資格確認書」が必ず届き、健康保険証と同様に使用できること、その送達の方法や時期を周知すること。
- マイナ保険証を保有している方でも、解除ができるようになること、その時期や手続きを周知すること。また、解除した場合であっても、受診に支障はないことを周知すること。
- マイナ保険証のカードリーダーを設置していない医療機関を受診する場合でも「資格情報のお知らせ」で受診できること、「資格情報のお知らせ」の送達方法等を周知すること。