アレルギー疾患を有する児童等への情報提供に関する診療報酬上の取り扱いについて

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 国民医療向上への貴職のご尽力に敬意を表します。

 さて、2022年診療報酬改定で、アナフィラキシーの既往歴のある患者又は食物アレルギー患者について、学校生活を送るために必要な情報を記載し、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」(以下、指導表)を提供する行為が保険適用となりました。しかしながら、このとき算定する診療情報提供料(Ⅰ)では、主治医と学校医が同一であった場合に算定ができない取り扱いとなっています。

 9割以上の学校が、主治医から提供される指導表を活用しており、指導表は病型・治療、学校生活上の留意点等を記載する様式となっています。その内容は学校医・嘱託医が把握しておけばよいものではなく、教師や養護教諭等が指導表の内容を共有し、連携体制を確保する等、アレルギー疾患を有する子どもが安心・安全な学校生活を送るための体制整備に資するものと考えます。

 学校医は、学校保健安全法第23条第4項により「学校における保健管理に関する専門的事項に関し、技術及び指導に従事すること」とされており、具体的には、学校保健計画等の立案に参与すること、学校の環境衛生に関する必要な指導や助言、健康相談、保健指導を行うこと等、主治医とは異なる役割を担っています。主治医は学校に対し、診療上の情報を提供するものの、学校医として情報共有や指導的役割を担うものではありません。

 主治医と学校医が担う役割は異なり、学校医であることを理由に、主治医としての情報提供行為が評価に値しないとする取扱いに合理的な理由はないものと考えます。

 以上のことから、下記の点について要請します。

 

一、アレルギー疾患を有する児童等へ必要な情報を提供した際、主治医と学校医等が同一であっても、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できるようにすること。