2026年診療報酬改定-初診料据置き、再診料微増では地域医療の崩壊は止められない
2026年度診療報酬改定は、「本体」が3.09%、「薬価・材料費」が▲0.87%、全体で2.22%のプラス改定となった。2012年以来のプラス改定は、医療現場からの窮状を訴える要求が幾分か反映されたものと言えよう。医療費抑制策の下での実質マイナス改定の連続に、急激な物価高騰や医療DXによる経費増が追い打ちをかけるなか、協会・保団連は基本診療料を中心とした10%以上の引き上げを求めてきた。30年前の2.7%に近い値とはいえ現場の要求にはほど遠く、これでは地域医療の崩壊を止めることはできない。
内容をみると、本体の大部分(2.99%)が賃上げや物価対応など使途が限定され、通常改定はわずか0.25%。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)では点数引き上げと対象拡大があるものの、継続的な賃上げを実施する医療機関とそれ以外で点数が区分されている。入院医療機関でも同様に、26年3月末時点で入院ベースアップ評価料を届け出ているなどの要件を満たさない場合は入院料が減算となる。事務負担や継続性への不安から、診療所における同評価料(Ⅰ)の届出は約4割に留まる。財政支援とリンクさせ、強引に誘導する手法も目に余る。そもそも診療行為の対価である診療報酬は、人件費を含む医療機関の経営維持の原資である。地域医療を支える医療従事者への賃金保障を患者負担と医療機関に転嫁するやり方ではなく、すべての医療機関で賃上げが可能となるよう、初・再診料、入院基本料などの基本診療料で手当てすべきである。
医科では初診料据え置き、再診料も1点の引き上げに留まる。また特定疾患療養管理料など、算定頻度の高い管理料は軒並み据え置かれ、在宅患者訪問診療料もわずか2点の引き上げとなっている。主に診療所に該当する短期滞在手術等基本料1は半減、通院・在宅精神療法の非精神保健指定医の点数が、施設基準要件はあるものの60/100に減算など、収入を左右しかねない改定は、地域格差が拡大するなかで、地方の医療に深刻な影響を及ぼすことを危惧する。
そういったなかであっても、生活習慣病管理料(Ⅱ)に包括される医学管理料が見直され、悪性腫瘍特異物質治療管理料など21項目が同一月に併算定できるようになる。療養計画書への患者署名も不要となった。保団連・保険医協会では改定内容を子細に評価し、基本診療料の引き上げとともに不合理是正への取り組みを強化していく。