すべての医療機関への財政措置の実施、拡充を求める要請書
国民医療向上への貴職のご尽力に敬意を表します。
当会が加盟する全国保険医団体連合会が今年2月に実施した調査では、昨年1月と比べて収入が「下がった」と回答した医療機関は65.5%にのぼりました。また光熱費・材料費・人件費を診療報酬で「補填できていない」とする医療機関は91.8%を占め、物価や人件費の高騰が、医療機関の診療機能の維持や経営に大きな影響を及ぼしていることは明らかです。診療報酬は公定価格のため、他の事業者と違って、医療機関は価格への転嫁ができません。経営が逼迫するなか、賃上げをしたくてもできないというのが実態です。この状況が続けば、人材確保にも支障を来たし、地域医療の存続が危ういものとなります。
2025年度補正予算では、「賃上げ・物価上昇に対する支援」として無床診療所に32万円(物価分17万円・賃上げ分15万円)の財政措置が示されました。医療機関の窮状をふまえた対応とされていますが、現下の経営実態を考慮すれば不十分と言わざるを得ません。また、賃上げ分については「ベースアップ評価料」を算定している医療機関のみを対象とするとも報じられています。現状で、「ベースアップ評価料」を算定している(できている)診療所は全医療機関の約3割に過ぎず、遍く行き渡る支援策にはなり得ません。
医療機関が従業員の賃上げを実現し、今後も継続して必要な医療を提供していくためには、すべての医療機関を対象とした財政措置が必要です。
以上のことから、下記の点について早急な対応を要請します。
【要請項目】
一、「賃上げ・物価上昇に対する支援」は、ベースアップ評価料届出医療機関等に限定せず、すべての医療機関を対象にしてください。支給にあたっては、簡易な手続きとして、迅速に支給を行ってください。
一、「賃上げ・物価上昇に対する支援」にとどまらず、すべての医療機関を対象とした、物価・人件費の高騰に対応できる十分な財政措置を実施してください。