歯科疾患管理料の改定は口腔管理の重要性を無視した数字合わせでしかない-歯科医療費抑制策からの転換を-

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 2026年歯科診療報酬改定は、診療行為の評価に充当する部分が、プラスとなった3.09%(本体)のうち、わずか0.31%(歯科)。9割以上が賃上げや物価対応への点数となった。初診料5点、再診料1点の引き上げ、歯科物価対応料が新設されたが、日銀の今後2年間の物価上昇予想(中央値)は、26年度1.9%、27年度2.0%の見通しとなっており、とても物価高騰に見合う点数とはいえない。

 歯科疾患管理料は、初診月の減算が廃止されたものの、再診月以降は100点から90点に引き下げとなった。初診月から算定する場合、改定前との比較では、3か月を経過した時点で合計点数はマイナスになる。歯科疾患を継続的に管理し、患者の健康維持に寄与する点数であるにもかかわらず、長期に管理することで点数が低くなる設定は、口腔管理の意義を無視して、点数という数値でしか見ていない改定といえる。

 生活歯髄切断と抜髄で麻酔薬剤料が算定できるようになったが、麻酔薬不足が生じている現状では思うように手術や処置が実施できるとは限らない。歯科衛生士が口腔機能の発達不全症・低下症の患者を指導した場合に算定できる口腔機能指導加算が、加算点数から独立し口腔機能実地指導料が新設。在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料では、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が指導を行った場合も算定できるようになった。歯科衛生士の評価は拡大の傾向にあるが、歯科衛生士の確保が困難な医療機関は増加している。Ni-Tiロータリーファイル加算のCT撮影の要件撤廃、光学印象の点数引き上げと適用拡大、口腔粘膜湿潤度検査の新設などが実施されることとなったが、これらを算定するには新たな医療機器の導入が必要となり、医療機関では経費負担が発生する。新たな持ち出しと引き換えに、点数引き上げの果実を享受するような改定といえないか。歯科鋳造用金銀パラジウム合金告示価格と市場価格の差額分を医療機関に強いてきた仕組みの見直しには着手もしていない。

 長期にわたり診療報酬が低く抑えられてきた歯科では、この間の経費増がボディブローのように響き、閉院の早期化も見られる。中東情勢がそういった歯科医療機関に追い打ちをかけている。口腔の健康管理と全身疾患の関係性への理解が地域住民に浸透し、歯科の役割はますます重要になっている。地域医療を守る歯科を正当に評価するためにも、歯科医療費の総枠拡大を求める。