「異例」が続く国会運営の是正を求める-将来に禍根を残さないために、主権者は国会監視を継続しよう
副首都法案の審議のため、特別国会の延長が決まった。わずか一日の衆参審議で補正予算が成立し、ほとんど例のない長期の特別国会など、高市政権のもとで異例の国会運営が続いている。
毎月を予定された党首討論は、5月と7月の2回のみ。首相出席の予算委員会集中審議は8回で29時間36分。石破前首相が90時間超(18回)、岸田氏は少なくみても60時間程度、菅氏は約54時間と、近年の首相と比して極端に少ない。中傷動画、暗号資産、経歴詐称と立て続く疑惑追及を回避するためか、「極めて一方的に与党側が総理の出席を拒む」。その一方で、野党合意もないまま議員定数削減法案を審議入り、「職権」を連発した。目に余る逸脱に、法案提出者の野党までもが国会を欠席する事態となった。折り合いをつけるでもなく「空回し」で審議が進む国会は、民主主義が機能していると言えるのだろうか。
「改正」皇室典範では、与野党協議になかった養子の子(男子)に皇位継承権を認める条文を入れ込み、与党主導の制度設計に変質したものを「立法府の総意」と公言。憲法第1条に「天皇の地位は日本国民の総意に基く」とあるにも関わらず、数多の世論調査の結果に反する「改正」案を、テレビやネットの中継を行わない特別委員会での審議を提案。わずか3時間の委員会審議で通した。「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊」した場合、拘禁刑か罰金を科す国旗損壊処罰法も成立した。立法事実(なぜ法整備が必要かを示す客観的事実)は不明、「不快」の線引きも処罰対象も曖昧で、専門家からは欠陥法と指摘された。冒頭の副首都法案も、副首都の指定要件を「政令で定める」とし、人口規模や災害リスク、財政措置等、具体的基準を示さないまま審議を求めている。
刑罰を伴う法案や重要な法案は、通例として、専門家の審議を経て、官僚が原案を策定する内閣提出法案として提出され、内閣法制局審査を経る。しかし国旗損壊処罰法も副首都法案も議員立法として提出され、「改正」健保法と同じく、国会審議で深めることなく運用に委ねる決定が繰り返されている。
「悲願」の消費税減税は先送りで、対象を極端に狭めた給付付税額控除へすり替える。白紙委任を受けたかのように、選挙で一言もなかった法律が次々と成立する。選挙期間の熱気に惑わされることなく、国会監視を続けなければ将来に禍根を残すことになりかねない。