武力で平和はつくれない~防衛費増額をやめ、税・社会保険料の負担軽減と社会保障の充実をはかれ

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 6月15日、アメリカ・イラン両政府の間で、戦争終結に向けた暫定的な合意が成立したが、合意後も双方で攻撃と停止を繰り返すなどいまだ不安定要素が残る。民間人を含む多くの人命を犠牲にし、世界規模で経済を混乱させた戦闘の終結は、世界の要請であり、一刻も早く確実なものにしなくてはならない。

 アメリカは暫定合意について、イランの核開発放棄やホルムズ海峡の航行を戦闘開始前の水準に戻すことが条件だと強調するが、不確実性をはらむものも多く、両国の合意で協議を延長することも可能としている。イランの復興・開発のために総額約3000億ドル(48兆円)の開発基金を立ちあげることが盛り込まれ、そのうち約24兆円は、アメリカの同盟国である日本、韓国、シンガポール、マレーシアの民間企業が拠出することがすでに決まっているという。アメリカの非人道的な行動の後始末を、非当事国に押し付けることなど許されるものではない。「力による世界秩序」を掲げ、軍事力をかさに取引外交を続けるトランプ政権だが、今回、欧州の国々がその手法を批判し同調しなかったことは、独立国として当然の態度といえる。翻って日本は、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と露骨な従属姿勢で対話の窓口を狭めた。

 わが国の防衛費は、「GDP比1%枠」を取り払い、2027年度2%に向けて、毎年1兆円ペースでの増加が見込まれる。FMS(対外有償軍事援助)ではアメリカ製兵器をローンで大量購入し、円安の進行でその支払いが増加することも懸念されている。「武力に依存した平和」は、周辺国の緊張を高め、さらなる軍備増強を招き、軍備拡張のスパイラルを引き起こす。防衛費増と引き替えにされるのは、社会保障の縮小と税負担増であることは間違いない。

 高市首相は自民党大会で、自衛隊明記を含む4項目(教育の充実、緊急事態条項、参議院選挙制度の見直し)の改憲発議を目指すと訴えた。日本維新からは、全面的な集団的自衛権行使を可能とするために、「戦力不保持」を削除し国防軍を創設する提言も出された。最低投票率の規定がなく、資金力による広告の不平等の問題を有する国民投票法「改正」案も参議院で審議入りとなった。戦後81年を経て、これからも戦争しない国として在り続けられるのか、主権者の自覚が問われている。憲法9条を基軸とする平和主義のもと、断固として戦争を否定し、国民の命と暮らしを守る政治を実現し、税・社会保険料の負担軽減と社会保障の充実をはかれ。