核戦争の危険性が高まる現状を直視せよ~核兵器廃絶のヒロシマの願いを世界に
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。戦後80年に渡り、被爆の実像を発信し、核兵器の非人道性を訴えてきた活動が、「核のタブー」という国際的な規範の形成に貢献し、核兵器禁止条約採択に大きな役割を果たした。しかしその一方で、日本政府はいまだ核兵器禁止条約について批准も参加もしていない。
今国会で成立した能動的サイバー防御法は、民間事業者にサイバー攻撃を受けた際の報告義務や通信情報の監視、警察や自衛隊による他国のサーバーの無害化措置を含むものである。令状に基づかない通信情報の取得は、憲法21条が保障する「通信の秘密」を侵害しかねないものであり、他国のサーバーへの介入は、国際的な摩擦につながりかねない危険性を孕む。
2024年4月の日米首脳共同声明に、日米の「シームレスな統合」に向けた「指揮統制の枠組みの向上」が明記され、7月の日米安全保障協議委員会では、自衛隊の統合作戦司令部のカウンターパートナーとして、在日米軍司令部を統合軍司令部へと再編することが表明された。2025年3月4日、コルビー米国防次官候補は単一の司令官のもとで運用する「米韓同盟のようなモデルに向けて深化する必要がある」と発言。同月24日には陸海空の各自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部が発足した。情報や装備で圧倒的に優位な米軍が指揮を握り、自衛隊が従属的な組織になるのは想像に難くない。憲法9条を持つ日本が、米軍の指揮下に入り戦争に加担することなどあってはならない。
中東・イスラエルは、ガザ侵攻に続き、核保有国であるイランへの大規模な空爆を行った。ネタニヤフ首相は先制攻撃の正当性を主張し、G7はイスラエルの擁護とイランの核兵器保有を批判する声明を発表した。さらに22日未明、アメリカがイランの核関連施設を攻撃。第三国であるアメリカの軍事介入は明らかな国際法違反であり、住民への影響を顧みない核施設への攻撃は、国際人権法の精神にも反する。戦後80年の今、核兵器廃絶を願うヒロシマの想いを踏みにじる行為は許されるものではない。核を保有する大国らによる武力行使が、国際社会を核の不安に陥れている現実を直視し、軍事によらない平和的な解決を求め、さらに大きく核兵器廃絶の声をあげよう。