民主主義を後退させる議員定数削減に反対

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 企業団体献金の見直しを理由に、26年続いた公明党との連立政権は解消された。政権維持を模索する高市総裁は、日本維新の会(維新)と閣外協力の形で連立を合意した。企業団体献金について「公開」とする自民党に対し、「完全廃止」を主張してきた維新だが、連立入りに際しては「在り方を検討するための協議体の設置」まで後退。かわって連立入りの絶対条件として「議員定数の削減」を求め、今では定数削減法案否決は衆院解散の大義となるとまで言い切っている。

 衆議院では小選挙区比例代表並立制導入により、小選挙区300、比例代表200の定数500と定めたのが(1994年)、戦後の大きな改革のはじまりである。2000年に比例代表20削減、2016年のアダムズ方式導入の際に、小選挙区289、比例代表176へと10減が実施された。参議院でも2000年の非拘束名簿式比例代表制導入時に10減が決定されている。

 政治不信が高まると、国民生活の窮状を背景に「税金のむだ」を減らすために議員定数削減を求める意見が出るがその反動は大きい。衆院比例区の50減を主張する維新の地元大阪府議会では、議員削減により維新議員が過半数を占め、大阪都構想をめぐって民意と議会にねじれが生じることとなった。2024年の衆院選結果をもとにした試算で、減少率は自民と立憲が10%以下、維新13%、国民14%、公明党・共産党で25%、れいわ33%と、中小政党ほど減少率が大きくなる。地方の選挙区で議席が減少すれば、地方の意見は反映されにくくなり、都市部との格差はさらに拡大する。比例を削減することで、163(56%)の選挙区で2800万票の「死票」を生んだ小選挙区制の歪みも拡大する。若年層や女性が議員になることも難しくなるだろう。女性議員数は世界167か国中130位、人口当たりの議員数はOECD加盟国38か国中36番目という日本で、後退に向かう「改革のセンターピン」(維新・吉村代表)などあり得ない。

 「税金のむだ」を減らしたいという国民感情は理解できるが、議員は主権者(国民)の代弁者であり、その削減は自縄自縛とも言える。「死票」を多く生み出し民意を反映しにくい選挙制度で議席を増やし、議席数に応じて政党助成金を得る。そしてそのお金を身内で還流する政党もある。議員定数削減よりも、年間315億円という政党助成金こそ、「税金のむだ」として廃止すべきではないか。