ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議する 軍事行動と核兵器による威嚇を即時中止するよう求める

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2月24日、ロシアはウクライナへの侵攻を開始した。ウクライナの主権を侵害し、武力の行使を禁じる国際法及び国連憲章に違反するロシアの行動に、強く抗議する。またロシアのプーチン大統領は、核兵器をもって世界を威嚇しており、被爆地で医療に携わる者として断じて許すことはできない。

ウクライナでは日常生活を失い、家族と分断された30万を超える国民が、戦火を避けるために数十キロ離れた国境を目指し徒歩での避難を続けている。ロシア軍は軍事施設や空港への攻撃のみならず、居住地や学校などにも攻撃を行っていると報道され、オスロ条約で禁止されるクラスター弾も使用されたという。クラスター弾によってウクライナの病院施設が被害を受けているとも聞かれており、わずかな人間の判断が、多くの人々を苦しめるだけでなく、ロシアの若者の命をも奪う侵略と武器の非情さをまざまざと見せつけられている。

私たちは、先の世界大戦への反省と原爆投下の悲劇から、国家の主権を脅かし戦争につながる侵略行為をはじめ、いかなる戦争も容認せず、核兵器廃絶を希求することを宣言している。日本の政治家が、この機を利用して、核兵器の共有や軍事力強化、改憲を煽るような発言を行っていることは、ウクライナ国民への冒涜ともいえ看過できるものではない。無責任極まりない発言を厳に慎み、立憲主義に基づく、国民の代表たる態度を強く求める。 ロシアでは何百人以上の医師が軍事行動に反対の声をあげ、「多くの命を奪う、どんなに努めても助けることができない」と署名で要求している。世界規模の撤退要求と経済制裁を背景に両国協議が行われるとの報道もあるが、武力によってウクライナの主権を損なう結論となってはならない。私たちは、世界の人々とともに、ロシアが軍事行動を中止しウクライナ領土から撤退するまであきらめずに声をあげていく。また、健康と命を守る医師・歯科医師の社会的責任として、ロシアに対し、武力の行使、核兵器による威嚇と核兵器使用を前提としたあらゆる行動の中止を強く求める。