基本診療料の大幅引き上げと医療情報・システム基盤整備体制充実加算の廃止を求める要請書

pdfのダウンロードはこちら

 国民医療向上への貴職のご尽力に敬意を表します。

 医療情報・システム基盤整備体制充実加算は、初診時等における情報の取得・活用体制の充実及び情報の取得の効率性を考慮した点数として新設されました。医療機関等では4月からオンライン資格確認が原則義務化となっていますが、現状では、必ずしも全医療機関がオンライン請求を行っているわけではありません。しかしながら、当該加算はオンライン請求が施設基準要件とされています。オンライン資格確認のシステムを導入しているにも関わらず、施設基準要件を満たさないために加算が算定できないという不合理な事案が生じています。システム基盤整備の体制を評価するのであれば、医療機関の負担も考慮したうえで、加算ではなく基本診療料の引き上げで対応すべきです。

 また当該加算の算定要件には、厚労省が示した様式の問診票を使用することが含まれています。その中には、診療とは関係のない「マイナ保険証の利用や問診票等を通じて患者の診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供」や「マイナ保険証を積極的に利用いただきたい」等の文言が記載されています。問診項目は、患者の症状に応じて医師・歯科医師が設定する裁量権の範疇にあると考えます。こうした項目を算定要件とし、診療報酬を政策誘導に利用することは許容できるものではありません。

 更に12月23日の中医協では、「オンライン資格確認等システムの導入・普及を徹底していく観点」から時限措置(4月~12月)として、当該加算の取扱いについて、保険証で受診した場合の点数を引き上げ(初診時)、再診時の点数が新たに新設されることとなりました。本来、診療報酬は患者の療養の給付を保障するためのものです。それにも関わらず、マイナ保険証を利用しないことへのペナルティ的な扱いを持ち込むことは、診療報酬の本質を歪める方法と言わざるを得ません。

 以上のことから、下記の点について要請します。

【要請項目】

一、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を廃止し、基本診療料を大幅に引き上げること。