新型コロナウイルス感染症に関する要請~医療従事者と住民の命と健康を守ることを最優先に

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新型コロナウイルス感染症に関する要請

 

 広島県では、4月6日現在、1,348の検査実施件数のうち陽性が15件と報告されています。しかし医療団体より、相談から検査に至った件数が3%程度と報告されたように、感染が疑われる患者数が正確に把握されていない事態について、今後の感染抑止の障害になるものと危惧しています。

一般の医療機関での診察や検体採取は、医療従事者を感染の危険に晒し、基礎疾患を持つ非感染の患者への感染拡大の危険性も伴います。県内の感染拡大と治療やケアにあたる医療従事者への感染をできるだけ抑え、住民の命と健康を守ることが最優先事項とされるよう、県内医師・歯科医師の団体である広島県保険医協会は、以下の事項について、早急に対応されるよう要望します。

これらの対応については、国からの要請を待つことなく、都道府県または市町において早急に整備されるよう求めるとともに、国に対しては、感染防止対策に責任を持ち、自治体に財政・物資面で支援を行うよう要求してください。

 

1.帰国者・接触者相談窓口に専門外来を設置し、迅速にPCR検査の要否が判断され、検体採取も行える体制を整備してください。あるいは、相談窓口を介さず、症状のある患者が受診できる専門外来を設置してください。

  • PCR検査が実施できる医療機関が対応できるよう、医療機関内での検査に必要な体制整備を支援してください。
  • 専門外来、検査実施機関の場所等を県民へ広報してください。

 

2.医師による診断でPCR検査が必要と判断された患者については、早期に検査を実施してください。

  • 感染拡大の抑制には、広範な検査と、無症状患者を含めた陽性患者の区分が必要であることを考慮してください。
  • 広島県が「相談窓口に御相談いただく目安」としている症状以外で陽性となるケースも出ています。これまでの症状例に拘ることなく、広く検査の必要性を判断してください。
  • 医師がPCR検査を必要と診断したケースについては、相談窓口を介することなく検査が実施されるように変更してください。
  • 検査時間の短縮が図れる検査機器の、さらなる増設を行ってください。

 

3.検査の結果、陽性と判断された場合は、治療の必要度に応じ区分できる施設を整備し、治療や経過期間の確保を行ってください。これらの対応を早期に開始してください。

国・県で民間医療機関への入院受入数の把握(照会)が行われていますが、以下の点に留意され、柔軟な対応と厳格な区分を念頭に施設確保をすすめてください。

  • 無症状陽性患者の待機施設を早急に確保してください。医療機関以外の公的施設や使用していない民間施設等を活用し、症状がない場合であっても、経過期間については、施設内で待機するようにしてください。
  • 一般の医療機関が病床確保を行う場合は、感染者以外の入院患者との区分が行える状況にあるかを厳格に判断してください。
  • 一般の医療機関が病床確保を行う場合は、人的体制や経営に支障が生じないよう、現在の診療報酬設定を超える支援策を講じてください。

 

4.マスク、消毒液などの衛生材料やゴーグル、グローブ、防護服については、感染症指定医療機関への安定供給を図るよう努めてください。

  • 一般の医科・歯科医療機関でも優先的な供給が図られるよう、調査の継続や供給ルートの確立を行ってください。
  • 人工呼吸器の供給不足が生じないような対策を早期に講じてください。
  • 医師会や歯科医師会を介したルートだけでなく、2団体に所属しない医師・歯科医師への供給が図られるよう、保険医協会等の供給ルートも検討してください。